陶磁器の産地である多治見・土岐地域の魅力発信を掲げているこのブログですが、マドリードから戻って以来イマイチ記事を書くテンションになりません。
一国の首都である文化都市マドリードと地方の小さな市を比べることに意味はありませんが、何でしょう、街の景観を味わったり街を探索する面白味という点ではもうやっぱり全然他にはかないっこないことを(当たり前のことながら)再認識した、といいますか。。。
それは何もマドリードと比べてそう思ったというだけではありません。
久しぶりに外に出てから再び多治見に降り立ち、駅周辺の雑な景観をぼーっと眺めながら、私が信じるこの町の魅力というものが、いかにか細く、外に見えづらいものであるかを思い知ったような、そんな心境でした。
いや、だからこそこのブログを書いているのではありますが、世界中の器好きをこの町に、っていやいやハードル高過ぎだろっ!と、自分で掲げたスローガンに何だか自分で挫けそうになってしまったのです。
そんな気持ちが折れそうな時には、心のオアシス=多治見市図書館に行くしかありません。
というわけで多治見市図書館にはこんな本ありますシリーズです。
京都書院 「陶芸の美」シリーズ
今回のスペイン滞在で改めて気になったスペインの陶磁器。
スペインというとリヤドロかお土産店に大量にならぶカラフルな絵付けのされた皿、なイメージ。どちらも正直あまり好みではありません。
ただ今回博物館などを訪れてみて、イスラムとの関わり含めて改めてちゃんと調べてみたいな、と思いはじめました。
そこで多治見市図書館の陶磁器資料コーナーで探してみたらこんな雑誌を見つけましたよ。
京都書院という出版社の雑誌「陶芸の美」
全30巻で世界の陶芸を取り上げた雑誌のようです。
1980年代に出版されています。
今回はまとめてスペイン特集を3冊借りてみました。(他の特集も面白そう「アラビア製陶所とフィンランド工芸」、「アメリカの伝統陶芸」、「シルク・ロード(ロシア・ソ連)」などなど。そう、まだソ連の時代!)
マドリードの優れた観光案内書は陶磁器資料コーナーにあった!
1985年出版の第10号はマドリード特集。あぁ、これはスペインへ行く前に読んでおくべきでした。。。レアな陶芸関係のスポットが掲載されていましたよ。そうそう、こういう情報が知りたかったんですよ!というものが満載でした。
バレンシア・ドン・ファン研究所(Indtituto de Valencia Don Juan)
ネットで検索してもイマイチな情報しか出てこないのでもしかしたら今はもう閉館されているのかもしれませんがイスラム及びスペインの膨大な染織・陶磁器コレクションのある貴族の館。
館内のイスラムデコレーションの様子も事細かにこの雑誌には掲載されていましたよ。(くどいですけどネット検索では館内様子はほとんど分かりませんでした!)
どれもこれも興味深いコレクションばかりです。
↓検索して出てきた所蔵品。
これはもうぜひ直接行って、やっているのかどうなのか確かめてみたかったです。
アランフェス宮殿 喫煙の間
マドリードから少し離れたアランフェスにあるアランフェス宮殿。かつて何度か行かないか?と義兄に誘われたもののロイヤルファミリーの華麗なる宮殿にはあまり興味がなく「また今度で〜」なんて断っていたことが悔やまれます。
この宮殿内の「喫煙の間」(またの名を「アラブの間」)のイスラム装飾具合が凄まじいんです!
こちらのサイトに詳しく解説があったので興味のある方はどうぞ。
マドリッド通信
バレンシアの旅に出たい!
そしてこちらの14号は「マニセス陶器とバレンシア国立陶芸博物館」というタイトルでバレンシア地方の陶磁器を巡る旅の情報が盛りだくさん!
↓こちらはヒメノ製陶所。今は博物館になっているようです。
バレンシア国立陶芸美術館もかなり気になります。
陶芸という観点から観光案内をしてくれるこの「陶芸の美」シリーズ。情報が古いのはネット検索でカバーできるので本当に有難いシリーズだな、と感心してしまいました。
陶磁器関係の知りたい情報がこうして身近に手に入る多治見市図書館。やっぱりこんな図書館があることは多治見市の財産であり誇りですね。こうした資料を読みふけるうちに何だかまたやる気が湧いてきましたよ。
さて、明日は多治見ツキイチ朝ヨガ!楽しみだ!