多治見市内にはいたるところに陶器の工場があります。暮らしていると当たり前の光景になってしまって、いつも目にしていても実際どんなものを作っているのかよく知らないということも多くて、今回はそんな場所の一つ小田井窯さんを訪ねてみました。
多治見市三笠町 スペイン風の皿がかかる小田井窯
工場の外にスペイン風のお皿が飾ってある小田井窯さん。以前から前を通るたびに気になっていたのですが、今回思い切って訪ねてみたら社長さんが快く案内をしてくださいました。
まず中に入るとイスラムや南欧陶器を模した民芸調の商品が並ぶショーケースが目に入ってきます。
今では製造が難しくなった塩釉技法を用いたものなど、現在の社長のお祖父様の代に作られたものだそうです。
トルコ陶器のモチーフですね。
器だけではなく以前はこんなものも作っていたそうですよ。
この型につめて作っていたのは「歯」!
陶器商売って器だけではないんですね。
ショールームはいつでも見学できて購入もできます
入り口すぐにある雰囲気のあるショールーム、こちらは平日8時〜17時の間ならいつでも見せていただけるそうですよ。
重厚感のある民藝調の家具や什器に、南欧風陶器がよくはえます。
気に入った商品はこちらで購入もできるそうです。
社長のお祖父様が海外を訪ねて、この南欧風陶器のスタイルを始めたそうです。全て職人さんの手描きによるもの。飲食店のお客様が多いとのことでした。洋食屋さんで使われている姿が目に浮かびます。
時間が止まったような、とても雰囲気の良いショールームです。
蛇の目のお猪口の豆知識
南欧風洋食器を前面に打ち出している小田井窯さんですが主力商品は酒器だそうです。
↓こういうお猪口、見たことありますよね
蛇の目のお猪口。
日本酒を作る杜氏さんが試飲をする時に使うものだそうです。
本物の蛇の目のお猪口は青い二重線を漆巻という手法で描いているんですって。そうして線に厚みをもたせて立体的にすることでお酒の色をしっかり見ることができるんだとか。そしてより飲み口も薄くしているそうです。
ちなみに写真では下のお猪口が漆巻の物。線のクリアさも、厚みも上の物とは全然違うことがわかります。
小田井窯さんだけが作っているものではないそうですが、こんなものも作られているのかぁと何だか改めて知ることが多くてびっくりでした。
工場見学
社長さんのご好意で工場見学もさせてもらいました。工場全体がまるでドラマのセットのような昭和の雰囲気そのままで興奮してしまいました。どこをとっても絵になります。
古い工場ですが手入れが行き届いて大切に使われている様にとても好感がもてました。
これ、外にあった従業員用のお手洗いの壁。さり気なくお皿が掛けられているところが素敵でした。
某有名ビアホールに卸す陶製のビアジョッキが作られていましたよ。
陶製のビアジョッキ、なんだかいいですよね。これをキンキンに冷やしてビールを飲むと最高らしいです。いいなぁ、いいなぁと言っていたら、社長さんが以前非売品で作ったというビアジョッキを持ってきて、これあげますよ、と言ってくださいました!
いやぁ感激です!今はまだ我が家の冷凍庫で冷やし中なので実際の感想はInstagramに公開しようと思います。お楽しみに〜。
今回小田井窯さんを見学してあらためて、この地ではあらゆる陶製品が作られているんだということを思い知り、すごく面白かったです。
突然の訪問にも関わらず快く対応して下さった小田井窯社長さん、どうもありがとうございました。
気になった方、ぜひ直接お出掛けくださいね。
小田井窯
岐阜県多治見市三笠町2丁目10
電話 0572-22-2161