この町にイケてる陶芸家が集まる理由

この地域、岐阜県東濃地区(多治見市、土岐市、瑞浪市)には全国的、いや世界的に活躍されている陶芸家、特に若手の今イケてる陶芸家が何名もいらっしゃいます。

面白いのはそうした陶芸家の多くが地元出身ではなくて、例えば青木良太さんは富山出身、打田翠さんは大阪出身、新里明士さんは千葉出身で、大江憲一さんはまあお隣の県ですが愛知県出身と皆さん地元の方ではないこと。

なぜこうした「イケてる」陶芸家がこの地に集まってくるのか?というのは、もちろんこの地が日本一の陶磁器生産地であることもあるけれど、実は意匠研のおかげが大きかったりします。

意匠研とは「多治見市陶磁器意匠研究所」という「陶磁器産業の発展及び技術の向上、さらに地元企業への支援のため、人財育成及び各種指導」を行っている機関。つまり陶芸家育成の為の学校。

冒頭に名前を挙げた陶芸家は皆この意匠研の卒業生なのです。

全国的に名を知られた陶芸の研究所である意匠研には全国各地から若者が集まり陶芸の勉強をし、卒業後もそのままこの地で製作活動を続けるというパターンによりこれらのイケてる陶芸家が多く活動する町が生まれたというわけですね。

意匠研、名前は知っていたし、建物の前は何百回と通ったことがあるけれど実は一度も中に入ったことはなかったのでこっそり中を覗いてみることにしました。

いざ意匠研、建物内へ!

 

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多治見市陶磁器意匠研究所=Tajimi City Pottery Design And Technical Center

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建物はこんな感じ。昭和42年建設。昭和な鉄筋建造物。
入口。

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新里明士(にいさと あきお)さんのポスターが貼ってあります。

そう、意匠研を訪ねてみようと思ったのは実はこのポスターをみたから。

今週末(5/15)から意匠研内にギャラリーが開設され、そのオープニング企画が意匠研卒業生の新里明士さんの陶芸展とのこと。新里さんのお名前はひょんなことからお友達から聞いて知ったのですが、それから気をつけて見ていると大変活躍されていることを知りました。なんでもサッカーの中田英寿さんの推進する日本の工芸を見直す為の「Revalue Nippon Project」でご一緒に活動されているようで世界に名を知られる存在にまでなっています。

revaluenipponproject

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建物に入ってすぐ目に付いたのはこちらの壁面タイル。

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古臭いといえば古臭い感じもするけど私は結構好きです。この色合い。

卒業生の作品が飾られていました。

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この中ではこれが好きかな。

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近藤千愛さんという方の作品。

奥に入っていくと研究室があります。

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釉薬調合実習室=Glaze Preparation Room

色んな釉薬が並んでいます。ここで釉薬についてあぁでもないこうでもないと思索を繰り広げるのですね。。。

建物内、とてもシンプルでこざっぱりしています。古い建物だけれどもさっぱり清潔感があってとても好感が持てます。

トイレ。

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事務室にいた女性の方に新しくできるギャラリーのことを尋ねてみたら完全にフライングなのにもかかわらず丁寧に案内してくださいました。何とギャラリーも建物内の壁も全部スタッフの方で白くペンキを塗って作ったのだとか。どうりで建物内さっぱり美しいわけです。ペンキ塗りたてだったんですね。見せていただいたギャラリーはまだ未完で作品も並んでいませんでした。小さなスペースですがここで色々な作品が見られるのが楽しみです。

DMの上の錘。さりげなく素敵。

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新里明士展 もうすぐ始まります

5月15日(日)〜6月12日(日)まで多治見市陶磁器意匠研究所内にて開催です。

Niisato Akio

中田が惚れた作品って一体どんなの!?興味のある方はぜひ!

 

多治見市陶磁器意匠研究所
場所:岐阜県多治見市美坂町2-77
電話:0572-22-4731
HP:http://www.city.tajimi.lg.jp/ishoken/index.html