縁あってシンガポールからのお客様を「うつわ巡り旅」に案内する機会に恵まれました。シンガポールで陶芸家として活躍されているLimさんご夫婦とそこで陶芸を習う生徒さんの計5名。伝統的な美濃焼の作陶現場を見たい!の要望にお応えすべく練った旅程、果たして気に入ってもらえたでしょうか。。。
ということで半日の「うつわ巡り旅」の様子をお伝えします。
多治見 虎渓山・水月窯見学
電車の遅延で多治見到着が予定より1時間遅れるというアクシデントから始まったこの半日ツアー。多治見に着いたばかりの彼らをまずは多治見虎渓山の水月窯へご案内。
こちらは荒川豊蔵が昭和21年(1946年)に築いた窯で、今はお孫さんが作陶を続けられています。虎渓山の森の中にあってまるで時間が止まったような景観の広がる窯です。
作業工程を順に説明してもらいます。さすが陶芸をやっている方達だけあって皆さんとても熱心に話を聞いていらっしゃいます。
登り窯を見せて頂きます。
水月窯ではガスや電気の窯は使わず薪窯だけで焼いているそうです。シンガポールの土地事情では広々とした工房がもてないそうでこんな窯は「私の夢です!」と感激して語る陶芸家Limさんのキラキラした顔が印象的でした。
志野焼きについて説明をしてくださる荒川さん。
志野焼きのうっすらとしたピンクはこうして出来るんですね。
Limさん、手ろくろを回します。
水月窯では小売スペースもあるのでこちらで作品を購入することができます。みなさんあれこれお買い上げ。
荒川さんと記念撮影をして水月窯を後にしました。
水月窯
多治見市虎渓山町7-14
0572-22-1990
見学希望の方は電話予約をすると確実です
可児市 荒川豊蔵資料館へ
今年の4月から今まで非公開となっていた荒川豊蔵邸なども見学が出来るようになった荒川豊蔵資料館へ。
この森を抜けると、そこに素晴らしい場所が広がっているのです!
昭和5年、この地で桃山時代の志野の陶片を見つけた豊蔵が昭和7年、陶房と居邸を作り志野焼きの再生に取り組んだ場所です。
時間があればじっくりと楽しめるかなりオススメな場所です。
ただし予定よりだいぶ遅くれての到着になってしまった今回は若干駆け足で巡ります。ガイドをお願いしていたので見どころポイントが良くわかりましたよ。やっぱりガイドを頼むって大事ですね。
こちら豊蔵が筍の描かれた陶片を見つけたという記念すべき場所「随縁」。志野再現への道はここから始まったのですね。
そして何と言っても素晴らしいのが豊蔵が晩年まで暮らしたという居邸。武家屋敷を移築したものなんだとか。豊蔵の美的センス炸裂なそれはそれは素敵な家です。
こちらに川喜田半泥子、白洲正子なども訪ねてみえたとか。
Limさん御一行も素晴らしい!と写真撮影に忙しくされておりました。気に入って頂けたかな、と思います。
敷地内を巡り最後に資料館を見学。
こちらではスタッフの加藤さんが説明をしてくださいました。
小さな資料館ですが見応えたっぷりです。
予定変更でご迷惑おかけしましたが、コンパクトに、でもポイントをおさえて丁寧に説明をしてくださった加藤さん、どうもありがとうございました!
豊蔵の居邸・陶房の修復、そして一般公開に力を入れた可児市の取組みに感激をおぼえる、かなりのオススメの観光スポットですよ!
荒川豊蔵資料館
岐阜県可児市久々利柿下入会352
0574-64-1461
月曜休館
9:30-16:00
入館料200円
と、ここまでが「多治見・可児・土岐」うつわ巡り旅」前編です。この後は土岐市に行きますよ〜。
後編はこちら